本当にいる!?実際の英会話で受動態が使われるシチュエーションって?
受動態と能動態。文法的に中学校で誰しも習っている文法ですが、実際に英会話のなかでそのニュアンスをうまく使い分けられている人がどれだけいるでしょうか?
今回はそんな受動態と能動態のニュアンスの違いについて、英語講師や英会話講師として勤務経験のあるBebe先生に解説してもらいました。
受動態を使えば「誰がやったのか」あいまいにできる!
受動態と受け身は、中学校で学習する英語の内容ですが、おそらく中学校で過去分詞を暗記するのに苦戦した人が多かったのではないでしょうか。
私自身は過去分詞を暗記するのにも苦戦し、さらには「なぜ能動態で意味の通じる文章を受け身にする必要があるのか?」と考えていたりしました。
いったい受動態と能動態の違うのか。受動態と能動態の違いは見て頂いたらわかる通りものすごくシンプルで、例えば「 You broke the car」「The car was broken」この二つの文章を見たらわかる通り、主語が違います。
ある映画で、強盗が警察の目を引くために911へ電話をかけ「Officer is fired」(警官が撃たれた!)と電話で言いました。するとオペレターは無線で「警察官が銃撃されました。全警察官は現場に向かえ」と通報者の名前など聞かずにすぐに無線で連絡していました。
もしこの場で「I fired the officer」(私が警官をうちました)と言ったら、「いたずらかな?」「こいつが犯人か?」などと様々なやり取りの展開があります。さらに伝わり方の問題ですが、前者の表現の方が「警察官が!」という緊迫感があります。
また私が海外で生活していた時に近所の子供がお父さんの車を傷つけた時に「Dad, your car is scratched」というとお父さんは庭からものすごい勢いで走ってきて車のそばで悲嘆にくれているのを目にしたことがあります。
もしあの場で、「I scratched your car.」と表現するとその場ですぐに、子供はお父さんにこっぴどく怒られていたと思います。
なぜなら誰が車を傷つけてしまったかが一瞬にしてわかってしまうからです。文章を見てわかるように「私が」という表現になっているからです。受け身の文章にすることで遠回しに「僕はたまたま見たんだけど」みたいなニュアンスが伝わります。
もしくは行為者をはっきりと伝えないことで「誰がやったかわからないけど」などという伝え方も可能です。 受動態のいいところは、「行為者をあいまいにすることが出来る。」「何をされたかをはっきりと強調できる。」という点にあります。
日本語ではあまり使わない表現方法だと思いますが、英語ではかなり役に立ちます。この受動態と能動態を上手に使い分けることで相手へのアピールの仕方などもかなり変わってきます。
なので受動態と能動態を使い分ける意味としては、伝わり方が異なってくるという感じで理解するのが良いでしょう。
実際に受動態って英会話で使うの?
実際に受動態を英会話で使うときって、「自分が何かをされた」ときに使うことが多いですよね。まあ「受動態」なんで当たり前なんですが…。
具体的にどういうことかというと…
- 虫(蚊など)に刺された!⇒I was bitten by bugs(mosquites)!
- 道を歩いてたらぶつかられた!⇒I was bumped into on the street!
- 知らないおばちゃんに話しかけられた!⇒I was talked by old lady I don’t know!
などなど。日本語にしてみたら普通ですが、英会話でも自分が他人に何かされた時に使うのが一番おおいんじゃないかなと思います。
あと、私がオーストラリアの語学学校に通っているときに教わったのは、受動態にすることでよりフォーマルな印象を受ける文章になる、ということ。例えば…
- 「今朝、30代男性が意識不明の重体で発見されました」
- 「昨夜遅く、有名人の○○さんが窃盗の容疑で逮捕されました」
- 「株式会社●●の幹部が横領の疑いで懲戒解雇されました」
これもすべて受動態ですが、受動態が使われるとなんだか非常にフォーマルでよそよそしい雰囲気がでるようなイメージがあります。
あと、客観的な事実を述べるための”レポート”なんかでも「私はこう思います!」みたいな自分の意見が書かれることは少なく、「データからこのような事実が導き出されます」「中、長期の目標を立てることが求められます」といった、主語が除かれた受動態が使われることが非常に多いです。
なので、実際の英会話でも日常会話なんかでは使わないかもしれませんが、例えば市場調査の結果を発表するプレゼンテーションなんかでは受動態を積極的に使っていく必要があるでしょうね。
では、受動態については以上になります。